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頭痛

頭痛について

1. 頭痛の症状と種類

頭痛は非常に一般的な症状で、日本人の約4人に1人が慢性的な頭痛に悩まされているといわれています。頭痛には大きく分けて「一次性頭痛」と「二次性頭痛」があります。


• 一次性頭痛
他の病気が原因ではなく、頭痛そのものが病気であるタイプです。

代表的なものに以下があります。
• 片頭痛:ズキズキとした拍動性の痛み。吐き気や光・音に敏感になることが多い。
• 緊張型頭痛:頭全体が締め付けられるような鈍い痛み。肩こりやストレスと関連。
• 群発頭痛:片側の目の奥がえぐられるように激しく痛む。一定期間に集中して起こる。

• 二次性頭痛
脳出血やくも膜下出血、髄膜炎、脳腫瘍など、命に関わる病気が原因で起こる頭痛のことです。突然の激しい頭痛や、今までにない頭痛には注意が必要です。

2. 頭痛の検査


頭痛の診断では、まず問診と診察が重要です。
• 問診:痛みの性質(ズキズキ・締め付け感)、持続時間、発症状況、その他の症状(吐き気・視覚異常など)を確認します。
• 身体診察:神経学的な異常(しびれ、麻痺、視力障害など)がないかを調べます。
画像検査:CTやMRIは、くも膜下出血や脳腫瘍などの二次性頭痛を疑う場合に行います。

※当院ではCT検査やMRI検査は行えません。これらの検査が必要な場合は、他院へ紹介となります。
• 血液検査:炎症や感染、膠原病などの可能性を調べるために行うことがあります。
特に「突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)」「50歳以降に初めて出現した頭痛」「神経症状を伴う頭痛」は、緊急検査が必要なサインとされています。

3. 頭痛の鑑別診断


頭痛を診る際には、「危険な頭痛を見逃さない」ことが最も大切です。
• 片頭痛や緊張型頭痛は比較的多い一次性頭痛ですが、
• くも膜下出血、髄膜炎、脳腫瘍、側頭動脈炎などは早期診断が命に直結します。
ガイドラインでは、危険な頭痛を見分けるため「SNOOP」というチェックリストが推奨されています。


S:全身症状(発熱、体重減少など)
N:神経症状(麻痺、けいれん、意識障害など)
O:突然の発症
O:高齢での初発(50歳以上)
P:頭痛の性質や頻度の変化
これらに当てはまる場合は、二次性頭痛を疑い、速やかに検査を行います。

4. 頭痛の治療法


治療は頭痛の種類によって異なります。
• 片頭痛
急性期にはトリプタン製剤やNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が用いられます。予防的には抗CGRP抗体薬や抗てんかん薬、β遮断薬などが使われることがあります。
• 緊張型頭痛
鎮痛薬のほか、ストレッチやリラクゼーション、生活習慣の改善が有効です。
• 群発頭痛
酸素吸入やトリプタン注射が有効で、予防にはカルシウム拮抗薬などが使われます。

• 二次性頭痛
原因疾患の治療が最優先です。
鎮痛薬の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)
頭痛診療ガイドラインでは、鎮痛薬やトリプタンを月10~15日以上使用すると、かえって頭痛が悪化する「薬物乱用頭痛)」が起こることが指摘されています。
• 特に市販の鎮痛薬を長期間連用すると、頭痛が慢性化するリスクがあります。
• 治療の基本は「薬の使用を減らすこと」であり、医師の指導のもとで計画的に減薬を行います。

よくある質問(Q&A)

Q1. 頭痛で病院に行く目安は?

突然の激しい頭痛、今までにない頭痛、手足のしびれや言葉のもつれを伴う場合はすぐに受診してください。

Q2. 市販薬を飲み続けても大丈夫?

月に10日以上の使用は薬物乱用頭痛のリスクがあります。長引く場合は医師に相談しましょう。

Q3. 生活習慣で気をつけることは?

睡眠リズムを整える、ストレスをためない、適度な運動、カフェインの取りすぎに注意することが大切です。


頭痛は多くの方が経験する症状ですが、中には命に関わる病気が隠れていることもあります。また、鎮痛薬の使いすぎによって頭痛が悪化することもあるため、自己判断で薬を飲み続けるのは危険です。
当院では、ガイドラインに基づいた診療を行い、患者さん一人ひとりに合わせた治療を提案しています。気になる頭痛がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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