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胸部大動脈瘤

「健診の胸部レントゲンで影があると言われた」
「CT検査で大動脈が拡がっていると言われた」──
それはもしかすると、**胸部大動脈瘤(きょうぶだいどうみゃくりゅう)**かもしれません。

胸部大動脈瘤は、心臓から出てすぐの「大動脈」がこぶのように膨らんだ状態です。
破裂すると命に関わるため、無症状でも定期的なチェックと管理が非常に重要な病気です。

私たち**ゆうひ内科循環器クリニック(横川駅より徒歩8分)**では、胸部大動脈瘤を心エコーやCT画像で早期に見つけ、内科的管理や専門施設への連携を行っています。
循環器専門医による診察で、適切なタイミングで治療へとつなげます。

胸部大動脈瘤の原因について

胸部大動脈瘤は、血管の壁がもろくなり、徐々にふくらんでいくことで発症します。

【主な原因】

  • 動脈硬化(高血圧・高脂血症・喫煙などによる血管の劣化)

  • 加齢(血管の老化)

  • マルファン症候群などの遺伝性疾患

  • 大動脈炎(高安病や梅毒性大動脈炎など)

  • 過去の大動脈解離・外傷後の変化

特に多いのは、高血圧を放置していたことにより動脈の壁が傷み、徐々にこぶのように膨らんでしまうケースです。
無症状のまま進行することもあるため、健診や人間ドックで偶然見つかることも少なくありません。

胸部大動脈瘤の症状について

多くの場合、初期には症状がありません。
しかし、瘤(こぶ)が大きくなって周囲の臓器を圧迫したり、破裂しそうになると以下のような症状が現れます。

【代表的な症状】

  • 胸の痛み・背中の痛み(特にズキズキ・鈍痛)

  • 声がかすれる(反回神経圧迫)

  • 咳や息苦しさ(気管圧迫)

  • 飲み込みにくさ(食道圧迫)

  • 動悸・脈の乱れ

そして最も怖いのが瘤の破裂です。
破裂した場合には突然の激しい胸や背中の痛み、血圧低下、意識障害などが起こり、緊急手術が必要になります。

そのため、瘤があることがわかっている方は定期的にサイズを評価し、破裂のリスクを予測することが大切です。

胸部大動脈瘤の種類と分類

胸部大動脈瘤は、発生する部位により分類されます。

種類 発生部位
上行大動脈瘤 心臓に近い部分
弓部大動脈瘤 頸部へ分かれる枝のある部分
下行大動脈瘤 肋骨のあたり(胸の背中側)

また、形態により…

  • 紡錘状(ぼうすいじょう)瘤:比較的なだらかに拡大

  • 嚢状(のうじょう)瘤:一部だけ突出するタイプ(破裂しやすい)

…などに分けられ、形や大きさ、進行のスピードによって治療方針が変わってきます。

胸部大動脈瘤の治療法

治療は、瘤の大きさと成長の速度、破裂リスクをもとに判断します。

内科的治療(小さい瘤・無症状)

  • 高血圧のコントロール(降圧薬)

  • 脂質異常症の改善(スタチン等)

  • 禁煙・生活習慣の見直し

  • CT・MRIによる定期的な画像フォロー(半年~1年おき)

※胸部大動脈瘤は直径が5.5cmを超えると破裂リスクが高まるため、その前に治療介入が検討されます。

外科的・カテーテル的治療(瘤が大きい・症状あり)

  • 人工血管置換術(開胸手術)

  • ステントグラフト内挿術(TEVAR)
     → カテーテルで血管内から人工血管を挿入する方法。身体への負担が少ないのが特徴

当院では、重症度に応じて心臓血管外科専門施設へのご紹介も含め、適切なタイミングでご提案を行っています。

胸部大動脈瘤についてのよくある質問

Q1. 胸部大動脈瘤はどれくらいの頻度で破裂しますか?
A1. 瘤の大きさが5.5cmを超えると年間約10%程度の破裂リスクがあるとされています。大きさと増大スピードを総合的に判断します。

Q2. 健診で指摘されましたが、すぐに手術が必要ですか?
A2. 瘤が小さいうちは手術ではなく経過観察と内科的な管理が中心です。定期的な画像診断が重要です。

Q3. 無症状でも怖い病気ですか?
A3. はい、無症状でも突然破裂することがあるため、「知らずにいること」が一番のリスクです。

Q4. 血圧の薬を飲むだけで良いのですか?
A4. 血圧管理は非常に大切です。血圧が高いと瘤が拡大しやすいため、しっかりと下げる必要があります。

院長より

胸部大動脈瘤は、発見された時点で「経過を見守るか、治療を始めるか」を冷静に判断する必要のある病気です。

私たちゆうひ内科循環器クリニックでは、心臓・血管の専門的な診療経験をもとに、瘤の評価から治療方針の選定、必要時の専門施設連携まで一貫して対応しています。
健診で指摘された方や、「家族に動脈瘤の既往がある」「胸に違和感がある」といった方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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