ストリッピング手術
はじめに
下肢静脈瘤は、足の静脈にある「弁」の働きが弱くなり、血液が逆流して足にたまりやすくなることで起こります。治療法は見た目だけで決めるのではなく、症状(むくみ・だるさ・こむら返り・痛みなど)と、超音波検査で確認する逆流の場所と程度を検討して選択します。近年は体への負担が少ない血管内治療(レーザー/高周波)が主流となっております。当院でもほとんどの症例が日帰りレーザー治療で対応可能です。
一方で、一部の方では、静脈の走行によってレーザー治療が安全かつ効果的に行いにくいことがあります。そのような場合に検討するのが、ストリッピング手術(伏在静脈抜去術)です。当院ではストリッピング手術も対応可能で、麻酔はTLA麻酔という局所麻酔+静脈麻酔で行います。
1. ストリッピング手術とは?
ストリッピング手術は、逆流の原因となっている静脈(主に大伏在静脈・小伏在静脈)を抜き取ってしまう治療法です。具体的には皮膚を小さく切開して、内翻式ストリッパーを伏在静脈の内腔に通します。その後に血管の周囲をTLA麻酔という方法で麻酔を行い、静脈を抜き取ってしまう手術です。
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レーザー治療:血管内焼灼することで「中から」閉じる治療
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ストリッピング:血管を「取り除く」治療
どちらも目的は同じで、「逆流を止めることで症状を軽くする」ことです。
2. レーザー治療と比べたストリッピングの特徴
当院では、できるだけ体への負担が少ないレーザー治療を優先しています。これは海外ガイドラインでも共通していることです。英国のガイドライン(NICE CG168)は、逆流のある静脈瘤ではまず endothermal ablation(レーザー/高周波)、それが不向きならフォーム硬化療法、さらに不向きなら手術、という順番を示しています。欧州(ESVS 2022)や米国(SVS/AVF/AVLS)でも、血管内治療を中心に据え、必要時に手術を選ぶ考え方が整理されています。
レーザー治療の特徴
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傷が小さいorない。手術後の内出血や痛みが少ない傾向
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生活への影響が比較的少なく、日帰りで行いやすい
- 血管内焼灼のため、血管が浅いところを走行すると火傷のおそれがある
ストリッピング手術
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レーザーが行いにくい静脈の走行(蛇行や浅い走行)でも対応できる
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レーザーに比べて
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内出血・腫れが出やすい
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術後の痛みが強めに出ることがある
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傷の治りにくさや感染など、傷のトラブルが起こる可能性がある
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3. ストリッピングを検討するのはどんなとき?
ストリッピング手術は、レーザーが難しい状況のときに出番がある治療です。
海外ガイドラインでも、血管内治療が基本で、血管の走行などの解剖学的要因によって血管内治療ができない/向かない場合にストリッピング手術を選ぶ、という枠組みが示されています。当院でストリッピングを検討しやすい代表例は、次のようなケースです。
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静脈が強く曲がっていて、レーザーカテーテルが途中で進みにくい
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曲がりが強く、レーザーで作る「治療ライン」が安定しにくい
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静脈径が大きく、レーザーよりストリッピングで処理したほうが確実と判断される
※「レーザー治療ができるかどうか」は、診察とエコーでほぼ判断できます。実際には多くの方でレーザーが可能で、ストリッピングが必要となるケースは多くありません。
4. 受診から治療までの流れ
① 診察・問診
症状(むくみ・だるさ・こむら返り・痛みなど)、生活背景(立ち仕事/座りっぱなし)、これまでの経過を確認します。
② エコー検査
逆流の有無、逆流している静脈の場所、静脈の走行、静脈径などを確認し、レーザーで安全に行えるかを判断します。この「エコーで原因を確かめてから治療を選ぶ」という流れは、国内外のガイドラインでも基本となっています(NICE CG168、SVS/AVF/AVLS、ESVS 2022 いずれも、評価に超音波を重視しています)。
③ 治療方針の説明
当院では原則、日帰りレーザー治療を優先します。静脈の蛇行が極端に強い、内服薬(ステロイドやホルモン剤)や既往疾患からレーザー治療が安全・確実に行いにくい場合はストリッピングも選択肢として説明します(メリット・デメリットを含めて、分かりやすくご案内します)。
④ 日帰り治療(局所麻酔+静脈麻酔)
治療方法に応じた周術期の注意点(運転、入浴、運動など)をご説明し、術後フォローも行います。
※内服薬(血を固まりにくくする薬、ホルモン剤、ステロイド)や持病がある方は、安全のため事前に確認します。必要があれば処方元の先生と相談し、無理のない計画を立てます。
まとめ
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当院では、ほとんどの下肢静脈瘤が日帰りレーザー治療で対応可能です。
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ストリッピング手術は、静脈の蛇行が非常に強いなど、レーザー治療が安全・確実に行いにくい場合に検討するケースがあります。
レーザーで可能か、ストリッピングが必要かは、エコーと診察で判断できます。
足のむくみ・だるさ・こむら返り・血管の盛り上がりが気になる方は、お気軽にご相談ください。
